機械工学

人間の疲労と機械の疲労

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hamatetです。

今回は、「人間」の疲労と「機械」の疲労について、お話しします。

人間の疲労について

人は何かしら起きて活動を続けると、疲労が蓄積し、必ず睡眠などの休息を必要とします。過去に読んだ本では脳の異常で眠ることができなくなった、という人がいるみたいですが、特殊例なので除きます。また、不眠症の人についても「眠りにくい」という状態であり、眠らないという事にはならないので、現実的にみて「眠らずに済む人間はいない」という認識でよいと思います。

ということで、人間は、活動→休息→活動と、sin波形のような繰り返しの活動を人間は行っています。
「月月火水木金金」のような言葉もありましたが、残念ながら人間にとって活動し続けるよりも、適切に休息を与えた方が良いわけです。
ブラック企業(=違法企業)は休まず人を働かせ続けた方が良いという考え方なのでしょうが、構造的に休まず働かせ続けるということは非効率極まりなく、無駄です。
この辺はなぜ労働基準法が「一日8時間、週40時間以内」という風になっているか、というところにも関連します。若干現代の情報化社会で仕事の体系が変わってきている部分もあるかとは思いますが…

 

機械の疲労について

次に機械の疲労についてお話します。機械の疲労というと、基本的に「疲労破壊」の疲労を言います。少し引用を使用します。

疲労破壊とは

疲労破壊(fatigue fracture)は,静的破壊(static fracture)よ
り低い負荷応力の繰返しによって起こる現象であり,き裂の発生,
進展およびリガメント部の静的最終破断という経過をたどる.

出典:機械工学便覧 α.基礎編 α3材料力学

基礎知識としての機械における「破壊」は、引用に記載しているように「静的破壊」の事を指します。引張強さなどの数値は、静的破壊の数値を示しています。ですが、引用に記載しているように、応力を加える→応力を加えない→応力を加えるといった、既述sin波形のような応力を加えた場合、静的破壊する応力よりも低い値で機械(=材料)は亀裂が発生、進展し、最終的には破壊に至ってしまいます。今回のお話の詳しいところにはS-N曲線、疲労限度、繰り返し数など専門用語がいくつか出てきますが、この辺はまた別の機会に。

機械に人間と同様に活動→休息→活動、をさせてしまうと、逆に早くダメになるということですね。
そういう事です。休む→活動→休む、をさせるより、一定の負荷を加え続けた方が機械材料にとっては都合がいいわけです。
人間の場合と真逆になってしまいますが、生物と機械材料の大きな違いかもしれません。
ですがこれはあくまで一般的な金属材料であること、機械的な力の繰り返しにおいては、という前提が入ります。電気的、化学的な知見では同じ結果になるとは限りません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?この記事で最低限、人間の疲労と機械の疲労は真逆であるということを理解していただけたと思います。発生した現象に対して考察などを行うとき、人の考えや行動などから推察する場合もありますが、今回のように真逆になることもあるので、ある時は正しいかもしれませんが、必ずその方向で正解に向かえるか?と言われるとそうでないこともある、という認識を持っていた方が良いでしょう。

まとめ

人間と機械の「疲労」は真逆。人間は休んだ方が良いが、機械は休まない方が良い。

ABOUT ME
hamatet
大学院まで機械工学を学び、 就職後はなぜか弱電の分野に携わる。 建設業界での弱電関係を一通り叩き込まれた経験を経て 機電系のMBDに従事したり他の事をしたり。